エリック・B&ラキムは、天才ラッパー「Nas」を含め、多くのヒップホップ・アーティストに多大な影響を与えたグループ。ラキムに関しては「最も影響をもたらしたラッパー」とも言われることもあるほどだ。

ライムの内容は、N.W.Aのようなギャングスタ・ラップでもなければ、パブリック・エナミーのように政治的でもない。例えて言うならば、「詩のようなライム」という言葉が適切かもしれない。

そして、ラップする姿は、Run-DMCやKRS-ONEのように訴えかけるような感じではなく、クールで話しかけるようなスタイルだ。

ジャズやファンクを取り入れた曲も多く、彼らを言葉で表すなら、「渋い、クール、かっこいい」と言う言葉が素直に浮かび上がってくる。おまけに顔もかっこいい。

ヒップホップの歴史を語る上では、避けることの出来ないアーティストである。

エリック・Bは、ニューヨーク州のクイーンズ出身のDJであり、ラキムは、ニューヨーク州のロングアイランド出身のラッパーである。

彼らは、1985年にエリック・B&ラキムを結成し、活動を開始する。そして、「Eric B. Is President」と、カップリング曲「My Melody」で、デビューした。

Paid in Full / Eric B. & Rakim

1987年に、レーベル「4TH & BWAY」からリリースされたファースト・アルバム。ヒップホップ界では名盤とされている1枚だ。

「I Know You Got A Soul」や、「Paid In Full」などが大ヒットした。

特に、「paid in full」のリミックは、私の思い入れが深い曲。1990年代当時、私がクラブ通いをしている頃は、この「paid in full」のリミックスがかかりまくっていた。

サビの部分は、オフラ・ハザの「イム・ニン・アル」を大々的に使用しており、ビートはDENNIS EDWARDS の定番曲「DON’T LOOK ANY FURTHER」がサンプリングされている。

私もDJをする時によく流しており、恐らく、1,000回以上は余裕で聞いたと思う。

Follow the Leader / Eric B. & Rakim

1988年に、MCAに移籍してリリースされた、セカンド・アルバム。

ヒット曲「Microphone Fiend」は、日本にヒップホップムーブメントを起こしたDragon Ash feat.ラッパ我リヤの「Deep Impact」に使われている。

その他にも。アップテンポでクールでかっこいい曲「Follow The Leader」などがある。クリップ・ビデオが印象的だ。↓

Let Rhythm Hit Em / Eric B. & Rakim

1990年に発表されたサード・アルバム。

「In The Ghetto」や、「Run For Cover」などのヒット曲を生んだ。

Don’t Sweat the Technique / Eric B. & Rakim

1992年に発表された4枚目のアルバム、ファンク色が強いこのアルバムには、必ず聞いたほうがいい2曲が入っている。

まずは、映画「House Party 2」の挿入曲となった「What’s On Your Mind」。夜にドライブしながら聞きたい曲って感じで最高だ。

そして、次は2PACが出演した映画「JUICE」の挿入曲「Know The Ledge」。このアップテンポでハードな曲は、名曲中の名曲だ。

18th Letter / Rakim

1997年、5年ぶりにリリースされた、ラキムのソロアルバム。ポップチャートで4位となった。

オールドス・クール時代から活動しているラッパーが、5年ぶりにアルバムをリリースするとなると、時代の変化のなかに取り残されてしまいそうな気がするが、ラキムは違った。

力強いビートが印象的な「Guess Who’s Back」が大ヒットとなった。90年代の代表曲とも言える。

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