1989年に、ヒップホップ界に「ネイティブ・タン(Native Tongues)」というトライブが新たなヒップホップをもたらした。いわゆる、ニュースクール時代の幕開けである。
ネイティブ・タンとは、ギャング的なものではなく、また、組織でもない。ポッセやクルーといった仲間でもない。意気投合したヒップホップのグループ同士が集まったトライブ(部族)である。
このトライブは、三つのグループが中心核となっていた。
そのグループとは、ジャングル・ブラザーズ(Jungle Brothers)、デ・ラ・ソウル(De La SOUL)、ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)だ。
この三つのグループの登場により、ニュースクール時代が到来した。
ニュースクールとは?
1980年代のヒップホップと言えば、「タフ」なスタイルが主流だった。
RUN・DMCやBig Daddy Kane、Slick Rickなど、首には太いゴールドチェーン、手にはごついゴールドの指輪。ライムの内容も、犯罪や銃、金など、自分がいかにタフかといった内容が多かった。
しかし、「ネイティブ・タン」は違った。彼らは中流階級出身で、見た目に「いかつさ」が無い。首には太いゴールドチェーンも無ければ、ごつい指輪も無い。
ラップは会話形式で、スラングを使わずに自分自身をリスペクトした内容。言わば、真面目なスタイルで、ユーモアのある新しいヒップホップだった。
ネイティブ・タン結成までの道のり
ジャングル・ブラザーズとデ・ラ・ソウルは、共にファーストシングルをリリース後、ボストンのショウで出会った。そして、彼らは意気投合し、互いに親交を深めるようになる。
そして、レッドアラートの紹介で知り合っていたQティップも仲間に参加するようになる。
- STRAIGHT OUT THE JUNGLE / Jungle Brothers
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ジャングル・ブラザーズのファーストアルバム。
ハウスを取り入れた「I!ll House You」はクラブで大ヒットした。
ジャングル・ブラザーズのアフリカ・ベイビー・バムは、ファースト・アルバムをリリース後に、グループ同士の提携を提案した。そして、「ネイティブ・タン」というトライブが結成されたのである。
ネイティブ・タンとしての最初のアルバムである、デ・ラ・ソウルのファーストアルバム「3 Feet High And Rising」により、ニュースクールと呼ばれ始めたのである。
- 3 Feet High & Rising / De La Soul
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ヒップホップの歴史において、重要すぎるアルバム。このアルバムを境目にして、ニュースクールとオールドスクールとで線引きされるようになった。
サンプリングに革命を起こし、そのメロディアスな音楽は、ヒップホップファン以外の一般人にも大いに受け入れられた。
ヒップホップファンなら避けては通れないアルバムであり、是非とも聞いて欲しいアルバムの一つだ。
上記のデ・ラ・ソウルのアルバムには、ジャングル・ブラザーズとア・トライブ・コールド・クエストのQティップがフューチャリングした「Buddy」が収録されている。
「Buddy」という英語の意味は、兄弟や相棒といった意味合いだ。ネイティブ・タンというトライブの絆を感じることが出来る曲ではなかろうか。
そして、ネイティブ・タンとしてのセカンドアルバムがリリースされた。↓
- Done By the Forces of Nature / Jungle Brothers
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ジャングル・ブラザーズのセカンド・アルバムであり、ネイティブ・タンとしてのセカンド・アルバムでもある。
ソウルフルでファンキーなアルバムに仕上がっている。
デ・ラ・ソウルとQティップをフューチャリングしている曲「Doin! Our Own Dang」が収録されている。
上記のジャングル・ブラザーズのアルバムには、デ・ラ・ソウルとQティップ、ロンドンのモニー・ラブをフューチャリングしている曲「Doin! Our Own Dang」が収録されている。
1990年3月に、続いてネイティブ・タンとしてのサード・アルバムがリリースされた。↓
- 3 Feet High & Rising / A Tribe Called Quest
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ア・トライブ・コールド・クエストのファースト・アルバムであり、ネイティブ・タンとしてのサードアルバムである。
ヒップホップの歴史において、重要すぎるアルバム。
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